BirthControl―女達の戦い―
「ただいま……」


いつの間にか洋一は眠ってしまっていたようだ。


礼子の声でハッと目を覚ます。


「あ……お帰り」


まだぼんやりする瞼を擦りながらそう言うと、礼子はうかない顔をして、こちらを見た。


「話が……あるの」


(……話?)


礼子の様子から、それが別れ話だと洋一は察してしまう。


何も言えずに固まったまま洋一は礼子の言葉を待つしかなかった。


「ごめんなさい……

悪いけど、この家から出ていってもらえるかな?」


そう口にしてはいるけれど、全く悪いとは思っていない言い方に、洋一は絶望的な気分になる。


きっと泣き落としもきかない。


少しだけ考えて、まだ立ったまま洋一を見下ろしている礼子に、手招きして座るよう促した。


意外にも礼子は嫌な素振りも見せずに、大人しく洋一の前に座る。


少しは情が残っているんだろうか?


だったらまだ可能性があるかもしれない。


洋一は目の前に座る礼子を夢中で押し倒した。


この半年足らずで、洋一だって礼子を喜ばせることが出来るようになったはずだ。


組敷かれても礼子は抵抗しなかった。


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