BirthControl―女達の戦い―
(気持ち悪い!)


瞬時にそう思った。


感じるどころか気持ちが悪いなんて、よほど洋一を受け入れられないんだと思う。


鼻息を荒くしながら、洋一の手が百合子の両頬を掴んで上を向かせた。


「――ッ!」


その瞬間、百合子の顔を見て、唇を重ねようとしていた洋一は、動きをピタッと止めた。


「なんだよ……その顔」


百合子は彼の目を冷たい眼差しで睨み付けていた。


その予想外の反応に驚いたのか、洋一に一瞬、隙が出来る。


百合子はそれを見逃すことなく、洋一の腕から体を離して一定の距離を置いた。


「だから……

あなたと一緒にしないでって言ったでしょ?

どんな技術を身に付けたのか知らないけど、私はもうあなたに感じることはないの

女は……好きな人じゃなかったら何も感じない

それに他の女で得たことを、私にしようとするなんて最低だわ

悪いけど、あなたとはやり直すことは出来ない

私は私の足で今、歩いてる

だからあなたも、自分の足で歩く努力をしてほしい……

これ以上……幻滅させないで……」


(あなたを好きだった私を後悔させないで……)


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