理想の恋愛関係
「二ノ宮家の事業は、九条グループが受け継いだ。
お前の事で二ノ宮優斗に不信感は有るが、九条グループとの付き合いを止めたらうちが潰れる」

「そ、そうなんだ……」


あれほど優斗君の事を怒っていた兄も、九条グループには頭が上がらないらしい。


「優斗君が、新しい会社で酷い扱いを受けてる可能性は有ると思う?」

「それは無いだろう。
二ノ宮家は九条グループの創始者一族と縁戚関係に有るしな」


それなら……優斗君の悩みは仕事じゃないと言う事になる。


「……二ノ宮家の屋敷ってどうなったの? 誰かが買い取ったの?」

「さあな、売りに出したようだか……」


やっぱり、家が原因なのだろうか。


お母さんの病気は家を失ったからだと言っていたし。


「緑、二ノ宮優斗の事はもう考えるな。それより今後の事についてちゃんと考えろ」


兄の諭すような言葉に、私は面倒な気持ちになりながら答えた。


「今後の事って? まさかまた見合いしろとか言う気?」


適当に言ったのだけど、兄は真顔で頷いた。


「ああ、良い話が有るんだ」

「私は見合いも結婚もする気は無いから。前も言ったでしょう?!」


優斗君以外と付き合うなんて、今は考えられない。


でも優斗君にその気は無いのだから、私は当分独身生活を送るしかない。
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