理想の恋愛関係
「で、これからどうするの?」


「どうするって?」


鈴香の言葉に、私は首を傾げた。


「ずっと友達のままでいいの?」

「……それは理想は恋人同士になりたいけど、焦らない事にしたの。今は友達になれただけで十分」

「ふーん、そう言えば花のプレゼントは続けるの?」

「続けるわ。お母さん私の花を気に入ってるそうだから」


ウキウキと言いながら、次はどんなアレンジにしようか考えを巡らせた。


そのまま上機嫌で仕事に取り掛かろうとした私に、鈴香がボソリと言った。


「……二ノ宮優斗の母親って、どんな人なの?」

「え……どんなって、大人しそうな人だったわ。多分繊細な性格だと思う」


実際、優斗君のお母さんについては良く知らないけれど、以前、二ノ宮家で会った時の印象とそれから引っ越しで精神的に弱っているといった事情からそう答えた。


「なんで優斗君のお母さんの事が気になるの?」


鈴香の発言が唐突な気がして、そう聞いてみる。


鈴香は私から目を逸らすと淡々と答えた。


「だって、可能性は限りなく低いけど、もしかしたら緑の姑になる人でしょ? ちょっと気になって」

「し、姑って……」


珍しく気の早い鈴香の言葉に、なんだか焦ってしまう。


でも想像すると、嬉しくもなる。


気分よく鈴香に答えた。


「姑問題とかは起きなそう。本当に静かな人だしね」

「へえ……それは良かったね、世の中には姑問題で苦労している人多いからね。まあ全ては二ノ宮さんと付き合えたらの話だけどね」

「分かってるわよ」


釘を刺す様に言う鈴香にそう答えながらも、大人しい優斗君のお母さん、それから優しい小姑里桜さんを思い浮かべた。


本当に、何の心配も無い。


優斗君の家族は良い人ばかりだと思った。
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