理想の恋愛関係
ま、まさか、今頃になって袋小路さんの話題になるとは。


私自身、記憶から消していたと言うのに。


「あ、あの……あれ以来会って無いわ。直ぐに断ったから」

「そうか……緑さんも大変だな。いろいろしがらみも多いだろうし」


しがらみって程では……泣き落としに屈しただけだし。


「兄は自分が結婚するから、私を早く結婚させたかっただけなのよ。うちの兄は少し頭が固いから」

「……会ってみて気に入らなかったのか?」


優斗君は珍しく、しつこく聞いて来る。


私の見合い相手をこんなに気にするなんて……これはもしかしたら、ついに私の存在を意識し始めたって事?


そう思いつくと、顔がにやけてしまいそうになった。


でも今まで調子に乗って失敗もしてるし、ここは慎重にいかないと。


「初めから断るつもりだったから……それに私、デブは……」

「えっ?」


眉をひそめる優斗君に、私は慌てて言い直した。


「いえ、付き合う気も無かったから、あまり会話も弾まなかったの。気に入る入らない以前の問題だわ。デートもしてないんだから」


それに私には優斗君がいるんだから、他の男なんて目に入らないわ。


そう続けたかったけれど、引かれたら嫌なので止めておく。
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