理想の恋愛関係
「それは良い心がけだと思うけど、緑は本当にそれでいいの?」

「いいのって何が?」


鈴香の言葉の意味が理解出来ずに聞き返す。


「聞いた感じだと、彼の母親って問題が有りそうだから。
もし彼と結婚したらその母親と上手くやっていけるの?」

「結婚って……」


優斗君と結婚……考えると顔がにやけてしまう。


まだ恋人同士にすらなって無いし、全く現実味は無いというのに、妄想だけはいくらでも広がって行く。


優斗君と結婚したら、あの白い壁でブラウンの屋根の家に住む事になるだろうから、そうしたら私が庭と玄関を綺麗にしよう。


グリーンで飾って、優斗君が帰って来た時ホッと出来る家を……。


「緑?」


そんな幸せな想像は、鈴香の現実的な声であっさり終わった。


「結婚後の事、ちゃんと考えた方がいいよ。彼と付き合ったら同居確実っぽいし」

「確かにお母さんを一人に出来ないから、同居だろうけど……私は別に構わないわ」


優斗君と結婚出来るなら、そんな事には拘らない。


「えっ? 嘘でしょう?」


鈴香は信じられないといった顔をして、私を見る。


「同居の覚悟なんて、とっくに出来てるから全く問題無いわ」


問題は、優斗君がなかなかその気になってくれない事だった。
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