理想の恋愛関係
「緑、久しぶりだな」

「……」


事務所にやって来た龍也は、爽やかな笑顔を浮かべて言った。


「神原さん、こちらにどうぞ」


鈴香も営業用の笑顔で龍也を迎える。


龍也は頷きながらも、私から目を反らさずに言った。


「着信拒否にするなんて酷いな。仕事の事で連絡する事も有るだろうから、解除しておいてくれ」


……着信拒否になんてしていただろうか。


もう大分前の事だから、覚えて無い。


最近は龍也の事を考える事なんて無かったし。


でもどっちにしろ、龍也と繋がりを持つなんてごめんだった。


以前私に不利な噂を流したり、優斗君を悪く言った事は忘れていない。


龍也はすっかり無かった事にしているけど。


「仕事の連絡は鈴香にして。鈴香が担当になるから」


素っ気なく言い、お茶の支度をする為立ち上がる。


龍也の視線を背中に感じながら、その場から立ち去った。
< 269 / 375 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop