理想の恋愛関係
そろそろ帰りたいなと思っていると、鈴香達も打ち合わせコーナーから出て来た。


特に声をかけずに片付けをしていると、龍也が私の方に近付いて来た。


「緑、これから鈴香さんと飲みに行くんだ。一緒に行かないか?」


龍也は気持ち悪いくらいの笑顔で言う。


鈴香に目を遣ると、完全に営業用の笑顔を浮かべていた。


かなり条件の良い依頼なんだろうと思った。


さすが鈴香。

仕事の為なら、嫌がっていた龍也とも飲みに行けるとは。


でも、私はごめんだった。


龍也と仲良く話なんてしたくないし、それに明日の準備が有る。


ゆっくりお風呂に入って、マッサージをして……二日酔いの浮腫んだ顔で優斗君と会うなんて絶対に避けたい。


「私、忙しいから。二人で行ってき……」


そう言いかけると、鈴香が勢いよく近付いて来た。

鈴香は私を龍也から引き離すように引っ張ると、小声で言った。


「少しだけでいいから付き合って。二人だときついから」

「え? 冗談でしょ? 嫌なら鈴香も行かなければいいじゃない」


そう言うと、鈴香はムッとしたように眉をひそめた。
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