理想の恋愛関係
そう言えばなんて思い出した様に言ってるけど、最初から聞く気満々だったんじゃないかと疑ってしまう。


「この前、N社の社長のパーティーに二ノ宮さんと一緒に出てただろ? 噂で聞いたよ」


もしそんな事が噂になってるとしたら、龍也が発信源としか思えない。


「確かに出席したけど、それが何?」


イライラとして龍也を睨んだ。


やっぱり龍也を接待なんて無理過ぎる。


鈴香には悪いけど、もう帰ろう。


腰を浮かそうとすると、龍也は苦笑いのような表情になり言った。


「ちょっと緑が心配になっただけだ。彼には以前騙されてるだろ?
また同じ過ちを繰り返してるんじゃないかって心配になったんだ」


余計なお世話だし、そう言う龍也こそ私を騙してくれた張本人だったはず。


「龍也には関係無い事だから。私、帰るわ」


冷たく言い立ち上がる。


龍也もなぜか立ち上がったけれど、鈴香が引き留めるように話しかけた。

「神原さん、聞き忘れた事が……」

「え?」


龍也が鈴香に気を取られている内に、私はサッサと店から立ち去った。
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