理想の恋愛関係
「……とにかく、お前がまた彼に騙されて傷付けられないか心配なんだ」

「え……」


「お前は大事な妹だ。 幸せになって欲しいんだよ」


思いがけない兄の言葉に、私もしんみりとした気持ちになった。


普段、言い争いしてばかりだけど、やっぱり兄妹の絆は強くて確かなんだと思った。


「お兄ちゃん……」


感傷的になって思わず昔みたいに呼びかけていた。


「緑……」

「今度ゆっくり実家に帰るわ」

「ああ、いつでも帰って来い。お前の家なんだから」

「うん、ありがとう」


久しぶりに兄とこんな風に話せた。


やっぱり兄妹っていいものだ。


そう思った瞬間、

「だが、二ノ宮優斗との事は認めないからな!」

兄が再び頑固に言った。


「は? 認めないって何?」


あっさりと険悪な空気に戻り、私は苛立った声を上げた。


「あいつを妹の夫とは認められない。一度振っておきながら、また言い寄って来るなんて、とんでもない男だ」

「ちょっと、優斗君の事悪く言わないでよ! だいたい言い寄ったのは私だから!」

「な、何言って……」

「本当の事だから!」

「お、お前……何をやってるんだ? 一人暮らしを始めたのは二ノ宮優斗を呼ぶためか?!」


……そう言えば優斗君がこの部屋に来た事ない。


今度、来て欲しいと言ってみようか。
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