理想の恋愛関係
優斗君は驚きから我に返ると、あれこれ理由をつけて断ろうとして来た。


顔に困惑と迷惑という文字が浮かんでいるようだった。


優斗君は私が引き下がらないと悟ると、今度は私を置きざりにして帰ろうとした。


それを引き止めて、思い切って言った。


「やり直したいって言ったのは本気よ。からかったりしてない……優斗君が好きだから言ってるの、それがいけない事なわけ?」


「好きって……そんな訳が……」


優斗君は信じられないといった様子で呟いた。



「無いって言いたいの? でも有るのよ。本人が言ってるんだから間違い無いでしょ?」


私の勢いに圧されたのか、優斗君は視線を逸らしながら言った。


「どうして今更そんな事言うんですか? 以前会っていた時はそんな様子は少しも感じられなかったのに」


これには驚いた。


言葉にしなくても、私なりに好意を表していたはずなのに、何一つ伝わっていなかったなんて。


「言わなくても分かってると思ったし、それに結婚する事は決まってるんだから、あえて告白する事も無いと思ったのよ」


正直な気持ちを言うと、優斗君は眉をひそめた。


「……じゃあなぜ俺が君のお兄さんに責められ窮地に立った時、何も言ってくれなかったんだ? 君は軽蔑する様な目で見ていただけじゃないか。君が助けてくれれば、家も会社も失わなくて済んだかもしれないのに」


その言葉に私は衝撃を受け、それは直ぐに怒りと悲しみに変わっていった。


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