高校生ー揺れる関係ー
で、トイレから用心深く出ようとしたら、トイレの屋根のほうから何か私の頭に当たった。
「イテッ!」
と、当たった場所を押さえ、飛んできたものを探した。
そして、足元にあった物体に目が行った。　けど、暗くて、何か分からなかった。
「なんじゃこりゃ?」
と、足元のものを拾った。

その　゛当たった物体゛　は、硬式ボール。
（こりゃ痛いわ‼‼
けど、風だって吹いてないし、なんで落ちて来たのー。）
と、周りをキョロキョロした。

「おーやっと出てきたか。
てか、当たったか?ボール。
暗くてわかんねぇーんだよ。」
と、屋根の上から声がした。

屋根の上を見ると、こちらを怪しく笑う憎たらしい顔が月明かりに照らされた。
「あっ?!
あのぉー、うざい!
さっさと降りな、馬鹿栄一。」
と、私は投げられたボールを栄一に向かって、思いっきり投げた。

で、投げたボールは栄一のお腹に見事命中して、「う゛ぅ・・・」とうめき声とともに栄一の小事まで聞こえてきた。

私は、そんなのお構いなしに　屋根上に居る栄一に　あっかんべー　して、「ばーか」と吐き捨てるみたいに言って、栄一といる反対方向に向かって歩いて行った。
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