高校生ー揺れる関係ー
そしたら、栄一は何も言わず優しく頭を撫でた。

(最近、情緒不安定だ…私。)
と、自分でもここまでいってる事に正直戸惑ってる。
でも、ちょっとしてさすがに道の邪魔だからって栄一に近くのベンチまで連れててもらい、落ち着くまで隣に居てもらった。

「お前って、ホント泣き虫だよな。」
と、栄一にボソッと言われた。
「泣かしてんのは、どこのどいつよ。」

「え?俺?」

「それ以外誰いんのよ。」

「あっそ。
可愛げもねぇ女だな。」

「うるしゃい!
もう黙ってーイライラが増す。」
と、栄一を黙らした。
それから栄一が独りごとのようにつまらない話とかとにかくくだらない話をしてくれた。
最初は、聞かずにずっと腫れた目とかきにしてたけど、いつの間にかそんなの気にせず、話を聞けた。
それからしばらくして、栄一のくだらない話のおかげで涙がいつの間にか笑顔になっていった。

「てか、なんで先に行っちゃうのよぉー。」
と、ふいに思い出したから、その頃にイライラが込み上げてきた。

「別に置いていったわけじゃないぞ。
俺はてっきり一緒かと思ったら、なんか…置いていってた。」

「なんかとは、なんよー。
すっごく不安だったんだからね。」

「もー悪かった。
今度は、目を離さないから。
ほんと手間のかかる子供だな。」

「子供って何よー。
あんたの方が背ちっこいじゃん。」

「心は、お前より大きいがな。」

「あぁー?‼
なんだ「ほら、すぐイライラする。」」

「あ…ぅ。
うぅーーーーーずるーい。」

「何が?」

「何もかもー。」

「意味が分からん。
てか、落ち着いたみたいだし、行くぞ。」

「あぁー流すな。
っておい、また置いてくなー。」
と、栄一は言いたいことを一方的に言って、改札口を出ていった。
私は、先に行く栄一を追いかけるように改札口を出た。

でも、改札口を出ても栄一は私を待っててくれるわけもなく、ただスタスタと私の先を歩いてる。
私も負けじとついていくけど、すぐに切り離される。
次第に諦めが付いてきて、もう一定の距離を取ってついていく。
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