高校生ー揺れる関係ー
でも、私の中の不安が怒りに変わったりしたけど、またなんか言ったら、倍に返されるから何も言わず、胸の中で言いたいことを押し殺して、ただ後ろから目線で言いたいことを言いまくった。
でも、栄一はそんな事には気がつくことなく、1人で先に歩く。
さすがにこのままじゃあ、気まずいからちょっと栄一との距離を詰めるように早歩きした。
(…にしても、チビのくせに早いな。)
と、結構早く歩いてるつもりだけど、なかなか追いつかない。
「ねっ、待ってよ。」
と、追いつかないから、声を掛けてみた。
「ん?
遅い。」
と、ポケットに手を突っ込んで渋い顔で振り返ってきた。
「あぁー、あ…お前が先に突っ走るからだろ。
てか、紳士なら少しは気にするとかしたら。」

「嫌だ。
歩夢に紳士心なんかいらんだろ。」

「いりまーす。
これでもレディーよ。」

「あっそ。」

「流すなぁー。」

「てか、どこ行く?」

「あ…もうスルーなんっすか。
なら、いいですよ。

てか、栄一のナビでお勧めのとこ連れて行ってよ。」

「ん?
じゃあ、あそこ行くか。」

「どこか分からんけど…行くぅー。」

「おう。」
と、行く場所が決まったみたいで栄一はまたスタスタと先に歩いていった。
(あ、また置いてかれる。)
と、私はすぐ栄一の後ろ付いていった。
けど、さっきと違うのは栄一があたしの歩くペースに合わせて歩いてくれること。
あと、何気ない会話と栄一の地元の説明してくれてること。
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