高校生ー揺れる関係ー
「ねぇ、あれ何?」
と聞けば、答えてくれる。

「ねぇー、疲れた。」

「メタボにならなくていいじゃん。」
と、ふざけた話もしてる。
でも、その度私の胸は高鳴る。
苦しくなりそうで、息が詰まる。
でも、絶対に行く場所は教えてくれない。
聞いても、はぐらかさせる。
やっぱり栄一は私なんかよりはるかに上を行く存在だと思い知る。
でも、それがいかにもガキ扱いで腹立たしくなった。
けど、なんか言うと、倍にしてしかも正確に返されるから、言いたいことを首のとこで止めた。
それから、栄一の案内でいろんなとこにいった。
そして、最終的に連れてこられたのは…。
「ねぇ…栄一。
ここって。」

「見ての通り、中学校。」

「ですよねーって、ちがーう!
私が聞きたいことは、なんで通り過ぎたとこにくるのってこと。」
実は、この中学校私たちが駅降りてすぐ近くにあった学校。
しかも、普通に通り過ぎてたし。

「ん~、いやぁー急に行きたくなって、来た。」

「…は?
もしかして、ここ出身中学?」

「うん。
ほら、行くぞ。」
と、私の腕を掴んで中に入ろうとした。

「ちょい待って。
私、栄一の中学と無関係だし。」
と、引き止めた。

「気にするな。
この中で起きた珍事件とか聞かすから、ね?」

「なにが『ね?』だ。
なら、1人で行きなよ。」

「馬鹿だなー。
1人で行っても楽しくないだろ。」

「いやいや、知らないし。
1人が寂しいなら、中学のころの先生と昔話でもしてろ。」

「先生相手は、言えないこともあるだろ。」

「それは若さの至りで許してもらえるって。」

「もーごちゃごちゃ言わずに行くぞ。」

「ちょっ、まだ話は終わってないぞー。
ってこらぁ、聞けぇー。」
と、無理やり引きずられながら、私は栄一の出身中学に入っていった。

(とっても、強引だー。)
と、心の中で叫びながら、反抗したけど、力は敵わず結局事務室の前に居た。
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