空と海







その香山さんと私は今、京の町を散策している。
そして、あろう事か気色悪くにやにやしてたらしい。


「にやにやなんて……してましたか…?」



「ええ。まぁ。にやにやしてましたよ。どうされたんですか?」


恥ずかしいにもほどがある

ニヤニヤ笑って歩いていたなんて...




「京に来れたのが嬉しいものですから……。」

嘘をつく理由も無いので最後は聞こえないくらい小さな声でそう言う私



「そうですか…。春風さんも…。」




ん?今、春風さんもって言った?
じゃあ、

「香山も京にこれたこと嬉しいんですか……?」




「ええ。嬉しいですね。もうすぐ僕らの手でこの国を帰られると思うと嬉しくてしかたないですよ。」




少年の様なキラキラとした瞳でそう言う香山さん


確かにそうなのかもしれない


ここ京は何かの物事をひっくり返すには最適の場所










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