その指に触れて
「相変わらず、毎日やってんの?」


ベッドの傍にあるラグの上に座り込む。半年前と変わっていない。


晃彦はへらっと笑った。


「毎日じゃねーよ。さすがに学校行かなきゃまずいでしょ」

「でも今日は休んだでしょ」

「俺、昨日まで一ヶ月間無遅刻無欠席だったし」

「自慢にならないから。付き合わせてる女の子がかわいそう」

「あ、大丈夫。大抵社会人だから」

「は? 年上?」

「最近はね」


いや、社会人も遅刻したらまずいと思うぞ。


「……相変わらず溜まってんだね」

「今は週一くらいだよ。半年前みたいに毎日じゃない」

「それでもやってるでしょ」


晃彦はあたしと別れる直前、毎日のように女と毎晩寝ていたらしい。おかげで朝起きられないもんだから、危うく進級できるかできないかの狭間をさ迷った。


あたしに言わせれば、アホの一言に尽きるんだけど。


「……本命の彼女は?」

「うん。それで今日呼んだ」

「だろうね。あんなにラブラブなくせに」


晃彦が今付き合っているのは、あたしと別れる前に浮気していた隣のクラスの女の子だ。


あたしと晃彦が付き合っていたことはあまり有名ではないけど、晃彦とその子がラブラブなことは学年で有名だ。


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