この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

「小さい頃のミーメちゃんはね、そりゃー可愛かった。母親が家を空ける事が多かったから、パパっ子でね。いつも僕にくっ付いてたんだよ」

「そうなの?」

「あぁ、パパ、パパってね。一番好きなのはパパだって、言ってくれてた」

「あ……ごめんなさい。私、何も覚えてなくて……」

「……いいんだよ」


そう言って横田さんは私の頭を何度も撫でる。まるで、小さい子供にそうする様に……


それから横田さんは、私の知らない過去を沢山話してくれた。


産まれて間もない私が夜中に高熱を出し、診てくれる病院を探し回ったこととか、2歳で入園した保育園の池に真冬に飛び込んで溺れかけ、大騒ぎになったこととか――

母の日の似顔絵が、なぜか横田さんの顔だったとか……話しは尽きない。


「愛されてたんだ……私」

「当然だよ。娘なんだから」

「今の今まで、父親には捨てられたんだと思ってた」


私の言葉を聞いた横田さんの眼には、溢れんばかりの涙が……そして、その涙は、いく筋にもなって零れ落ちる。


「横田……さん」

「これから、今まで離れてた分、精一杯のことをするから……だから、許して欲しい」


横田さんが悪い訳じゃ無いのに。横田さんだって、辛かったはずなのに……


熱いものが込み上げてきて、私は夢中で彼に抱きつき声を上げて泣いた。


温かい。この温もりがお父さんなんだ。遠い昔に感じた様な……そんな気がする。


「あのね、もうすぐ華の保育園で運動会があるの。来てくれる?」

「行ってもいいの?」

「当然じゃない。おじいちゃんなんだから」

「そうか、そうだな」


華、お父さんは無理だったけど、華におじいちゃんが出来たんだよ。とっても優しいおじいちゃんが……お父さんより、ずっと、ずーっと素敵なおじいちゃんだよ。


だから、ごめんね。華……


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