この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
その後、横田さんとはランチを食べて別れた。その足で会社に戻ると橋倉さんが待ち構えていて、興味津々って感じで聞いてくる。
「どうだった? 部長とは話せたの?」
「あんまり……」
「そう……」
残念そうに眉を下げる橋倉さんだったが、どこかおかしい。なんか落ち着きが無い。
「あの、神埼さん?」
「なんっすか?」
「……うぅん。なんでもない」
やっぱ、変だ。
「なんですか? 気味悪いなぁ~言いたいことあるなら言って下さいよ」
「う、うん、そうね。どうせバレることだから……」
橋倉さんが私の方を向くと背筋を伸ばし、真剣な顔をする。
「な、何?」
「あのね、落ち着いて聞いてちょうだい」
「はい」
「実は、私……横田さんと……お付き合いしてるの」
一瞬、キョトン! そして、絶叫!
「ぎょへぇーー!」
「か、神埼さん、声が大きい」
橋倉さんが慌てて私の口を押さえる。
「……はじぐらさん……ぐるじい」
せめて鼻は開けといてよ! そんなことより、何がどうなって、ふたりがそんな仲に?
「『エデンの園』で一緒に飲んだ後、横田さんから部長のことをもっと詳しく教えて欲しいってメールがあって……」
「ちょっと待って。いつの間にメアド交換したの? そんなの私、聞いてない」
「だから今、言ってるじゃない」
遅いよ……
「それで、何度かお会いして、同年代ってこともあって意気投合しちゃってね」
意気投合なんてしないでいいのに……
「彼が付き合って欲しいって……キャッ!」
まるで少女の様に頬を染め恥ずかしがる40歳の橋倉さん。
橋倉さんには悪いけど、横田さんの趣味が疑われる。
「それでね、彼と神埼さんの関係を話してくれたの」
「えぇっ! 横田さん、あのこと橋倉さんに話したの?」
私より……先に?
「えぇ、愛する人には、一番に話しておきたいって……」
あ・い・す・る・ひ・と……?