この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

脱力&放心状態。


こんな話し、聞かなきゃ良かった。


ついさっき、横田さんはこの世で一番大切なのは、娘の私だって言ってたのに……愛するる人に一番にって……結局、娘より女ってことか?


あの感動の再会はなんだったんだ。なんか、アホらしくなってきた。


「本当のこと言うとね、今朝のアポの一件も、私と横田さんが仕組んだことだったのよ」

「はぁ?」

「横田さんの所へ神埼さんと部長を行かせる為のお芝居……あ、でも契約は本当のことだから安心して」


ちょっと、ちょっと、ちょっと~!

あれが、お芝居? 全く違和感なかった。橋倉さんって、中々の演技派だ……なんて感心してる場合じゃない!


「何が安心してですか! 冗談じゃないっすよ!」

「でもねぇ……まさか神埼さんが横田さんの娘だったなんて……初めて聞いた時は気絶しそうだったわ」

「私だって、今気絶しそうでした! まさかふたりが付き合ってたなんて……」

「ごめんね。そういうことだから、彼と……その、けっ、結婚することになったら……」

「ゲゲッ! 結婚?」


お願い。もうギブアップ……勘弁してぇ~


「神埼さんは義理とは言え、私の娘になる訳よね」

「ひぃーっ!」

「そして、華ちゃんは孫なんだ……」


ダメだ……橋倉さん、妄想で大暴走だ。


「子供も産んでないのに、おばあちゃんなんて……」

「シャラップ! これ以上、喋んないで!」

「ねぇねぇ、それより、子供は早く産んだ方がいいわよね? 私も40歳だし、そうなると、やっぱり帝王切開かしら?」


人の話しを全く聞いてない。


「そんなの知るか!」


橋倉さん、出産出来るギリギリの年齢だから焦ってるんだろうけど、まだふたりが出会って1週間足らず。付き合いだしたのも数日前のことだ。いくらなんでも結婚は無いよね。


でも、油断はならない。もし、万が一、いや! 億が一、何かの間違いで結婚話しが浮上したら……


ヤバい。絶対、ヤバい。橋倉さん子供産む気満々だし、そんなことになったら、私の兄弟ってことになる。


華より年下の兄弟って……どうなのよ?


それだけは、何がなんでも阻止せねば……


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