この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
「ほほーっ、いい写真が撮れたぞ」
銀は携帯の画面を見つめてニヤニヤしてる。
「銀、早く警察に……」
私が焦ってそう言うと家の方から誰かが怒鳴りながら走って来るのが見えた。
「あなた達、そこで何してるの?」
あれは……怜香さん?
息を切らし、私たちの前に現れた怜香さんは、まず最初に私を睨んだ。
「よう、怜香、見てみろ。スゲー写メが撮れたぞ」
銀は得意げに自分の携帯を怜香さんに差し出す。
「バカなことしてるんじゃないわよ。ちょっと、アナタ!
何やってんの?」
「あ、あの……産業スパイを捕まえまして……」
「産業スパイ? ふざけたこと言ってないで、そこを退きなさい!」
怜香さんは顔を真っ赤にしてかなりご立腹のよう。
私は彼女に言われるまま、おっちゃんから離れ立ち上がると怜香さんが駆け寄り、おっちゃんの体を起こしてる。
なんで? どうして?
「大丈夫?」
「あ、あぁ、すまない」
よろけながら立ち上がったおっちゃんの体を支え、心配そうに眉を下げる怜香さん。
なんか、おかしな雰囲気……
チラリと銀の方を見ると相変わらず携帯を見つめてニヤついてる。
「神埼さん!」
「は、はい」
「アナタ、よくもこんなことしてくれたわね?」
「へっ?」
「これって、銀之丞とアナタのこと反対した腹いせなの?」
「えっ、腹いせって……」
怜香さんは怒りを爆発させ、涙目で私を睨む。
「お父様に、なんてことするのよ!」