actually
「よしっ。じゃなさっそく撃ってみましょうか」
「え、音とか大丈夫?」
「こんな山奥で銃声が鳴っても猟でもしてるぐらいにしか思われないから大丈夫よ!
あ、そこの安全装置ちゃんと外してね
引き金は力を入れず、ゆっくり指を押し当てるだけでいいから
じゃあ、準備が出来たらあの木に向かってぶっぱなしちゃえ!」
そんなむちゃくちゃなアキの言うことを謙虚に聞くウミ
自分が怖じ気づく前にと、急いで引き金を引いた
バァーン
ドラマでしか聞いたことのない音が響く
腕や肩に衝撃が伝わってきた
初めての経験に戸惑っていると背後で拍手の音がした
「すごいじゃない、ウミ。ちゃんと木に当たったわ」
おそるおそる見てみると確かに木に命中している
「でもアキ、あんな大きな木だったら誰でも当たると思うよ」
こんなことで褒められるって・・・
「そんなことないわ。センスがない人なんてあり得ない所にとばすもの
ダイがいい例ね」
「ダイが?」
「最初なんて何処に撃ったと思う?
後ろよ、後ろ!どう頑張ったら後ろに撃てるのか理解できないわ」