actually
「なんとか撃ちたい所に撃てるぐらいには出来るようになったんだけどね。
的が小さいと無理ね」
「・・・・大変だったんだね」
「そりゃもう!訓練に付き合う度に殺されかけたわ!
それに比べてウミの訓練は命懸けじゃなさそうだから助かる!」
大袈裟だなぁ
「じゃあ、無断話はこの辺にしておいて続きをしましょうか」
その後、同じように木に弾を撃つ練習をした
近くの木から遠くの木まで様々な距離で撃ったがやはり使い慣れてないためすぐに肩に限界が来た
「じゃあ、今日はここまでにしよっか。そろそろお昼だろうし」
アキの言葉で緊張が溶けたウミはヘナヘナと雪の上に座りこむ
それを見たアキは笑いながら言った
「ウミったら、そんなに疲れたの?明日からはもっとハードよ~」
笑われたのが不服だったのか、少しムッとした顔をするウミ
「違うよ、確かに疲れたけど・・・緊張が溶けただけ」
私はこれから人を殺せる道具の使い方を練習する
そしてマスターしなければならない
いつか、いつか人を殺すために
「・・・」
ウミの沈んだ表情にアキは何かを感じ取った
「ウミ、これは人殺しの練習だと思ってる?」
アキの静かな問いにギクリとしたウミ
「私のこと軽蔑する?こんな道具を簡単に扱い、人を騙して金を奪って時には人を殺して、」
「そ、そんなこと・・・!」
ウミの小さな否定に静かに微笑むアキ
「ウミならそう言うと思った。
さあ、戻りましょう!ハルの料理の仕上げしてもらわないと!」
そういって颯爽と歩き出すアキにウミは黙ってついていくことしかできなかった