actually
部屋から出た生田目はエレベーターに向かった
回りをキョロキョロと見回し、鞄を胸に抱く姿は挙動不審と言う言葉がピッタリ
上司の山田といた時の印象に戻ったようす
「すみません、どうかされましたか?」
話しかけられるのは必然
単髪の黒髪で見るからに好青年といった風貌の社員に声をかけられてしまった
「あの・・・私ここに営業に来た者なんですけど迷ってしまったようで」
胸に抱えた鞄で見えなくなっていたホルダーを見せ事情を説明する
・・・・営業が終わり、トイレを借りたのだが、帰り道が分からない、と
「なるほど、じゃあ僕がラウンジまで案内しますよ。このビルは関係者以外入れない所もあるので」
「あ、ありがとうございます」
事情を聞いて、生田目を案内する気になったらしい青年
しかしラウンジはエレベーターを降りたら目の前にあるはず
わざわざ案内される必要などない
そんなことを知ってか知らずか、生田目は青年に大人しくついていく
その間、様々な人に声をかけられていた青年は皆に慕われていることは一目瞭然だった
それほど難しくもない道順をたどりエレベーターへと乗り込む二人
当たり障りのない世間話をしていればあっという間に目的の階へ到着したと知らせる音がした