俺様編集者に翻弄されています!
 氷室の無言と凍りついた雰囲気に悠里は居た堪れない気持ちになる。

(……私、変な質問しちゃった?)

 悠里がなにか言わなければと、言葉をあれこれ考えていると、不意に低い声が聞こえた。



『明日、午後七時にローザンホテルのロビーに来い。食事に付き合え』


「……えっ!?」


『ああ、それと、いつもの格好で来んなよ? パーティと同じ格好で来いとは言わないが、それなりの服装で来い』



「あ、あの! ちょっと待ってください! なんで、そんな五つ星ホテルに? な、何用でしょうか……? 食事って―――」


『つべこべ言わずにいいから来い、じゃあな』


「ちょ……き、切れたし!」


 氷室の電話はいつも一方的だった。用件を言い終わるとすぐに切ってしまう。


 今でこそ慣れたものの悠里の耳には、またもや虚しいツーツーという無機質な機械音だけが聞こえていた。
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