俺様編集者に翻弄されています!
 自分を抱きしめて慰めてくれた氷室を、一瞬でもいい人だと思った自分をかき消したい気持ちに駆られた。


「わ、私……その! プリンスホテルでお食事とか、そういう柄じゃないんで、マ、マナーだって怪しいし……」



『ふぅん、なるほどな……お前、もしかしてお行儀の善し悪しを気にしてんのか? パーティに行きたくない本当の理由はそれか?』


「うぅ……」

 図星をさされて、悠里はぐうの音も出なかった。三十路を越えた大人が言う理由としては、あまりにも稚拙過ぎて自分で恥ずかしくなる。


(恥ずかしい……三十二にしてテーブルマナー云々を気にしている自分が……)


 悠里は携帯を握り締めながら真っ赤になっていた。



『あはは、ゆでダコみたいになってるお前の顔が目に浮かぶな。まぁ、マナーなんてちゃんとカトラリーを使えれば大丈夫だ』



「か、かとらりー……ってなんですか……?」


『え……?』

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