俺様編集者に翻弄されています!
「ひ、氷室……さん? どうしてここに……?」


「説明はあとだ」


 いるはずのない氷室の姿に半ば放心状態で、悠里は混乱していく頭の中、男たちの怒鳴り声を聞いた。


「Who?」
<誰だよ、お前?>


「Get the fxxk out if you don`t wanna catch」
<捕まりたくなかったら失せろ>


「You!」
<こいつ!>


 ひとりの男が氷室めがけて殴りかかってきた。


「氷室さん!」



 悠里が氷室の名前を呼ぶと同時に、しなやかな身のこなしで氷室がその男を躱して蹴りをいれた。


「あ……」


 それからみるみるうちに三人の男たちは氷室によって伸されていった。


「ったく、空手有段者をなめんなよ」


 初めて見る氷室の機敏な動きに、悠里は息を呑んでただ呆然と見ていることしかできなかった。


「悠里!」


「は、はい……!?」


 氷室のその声に悠里の肩がびくりと跳ね、我に返ると目の前に氷室が手を伸ばしてきた。


 悠里は差し伸べられたその手を握ると、ものすごい勢いで引き寄せらた。そして、気がつくと向こうにパトカーのパトライトが光っているのが微かに見えた。


「逃げるぞ!」


「は、はい……!」


 悠里は今、自分の手を引いているのが本当に氷室美岬なのか信じられないような夢現な気持ちで、ニューヨークの街を走り抜けた―――。
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