【完】ヒミツの恋を君と。
言いっ放しで会話を終了させた彼は、ベンチに座ったかと思うと、バッグからおもむろにパンを取り出し、食べ始めた。
「……」
「……」
無言のままヤキソバパンを食べ終え、カレーパン、ピザのパン……。
気持ち良い程どんどん口の中に消えていく。
なぜ校内巡りの案内役をあんなに嫌がったのか?
なぜここに早足で一直線に来たのか?
分かった気がした。
「おなか空いてたんだ?」
「あぁ、うん」
「……どうしてあたしまでここに連れて来たの?」
そんなにおなか空いてるならそう言って案内役を断ってくれれば良かったのに。
文句なんて言わないよ?
パンを食べる手を止めて、あたしの方を見た河野は屋上の端、落下防止のフェンスの方を指差した。
「え?なに?」
その指先の示す方へ恐る恐る歩いて行く。
「わぁ!!」
フェンスの先に見たその景色に思わず声が漏れた。