【完】ヒミツの恋を君と。
晴はうちに来てから、よく笑うようになったと思う。


そう思うのは、多分うぬぼれじゃない…はず。




晴は、今ナチュラルな髪型をしてて、眼鏡は掛けてない。


あたしがこの間、『あたしの前では、何も隠さなくていい。素の晴でいて』言ったからかな?




うちの中の晴は、無理に自分を作ったらり、偽ったりはしていない。




晴もこの空間を幸せだと思ってくれてるといいな。

ここでは何にも考えず、ただあたしだけを心に映してくれてるといいのに…。



晴の機嫌が良さそうだったから、今まで聞いてみたかったことを聞いてみようと思った。





「晴のお姉さんってどんな人?」





きっと、優しくて、家事なんか万能で、もの静かな美人なんじゃないかって思う。

なんとなく、そうイメージしてた。





「姉さん?あの人はサバサバした性格。子どもが生まれたらきっと肝っ玉母さんになる」


「えっ!?」


「顔はそこそこいい方だと思うけど、びっくりするほど大雑把な性格で、料理作るのも適当すぎるから、すごい甘かったり、辛かったり、大量だったり、俺は姉さんを反面教師にして、まともな料理が出来るようになったんだと思う」





意外、意外!

美人という想像以外は、外れてたかも。



お姉さんのことを話す晴は、少し子どもっぽく見える。




その表情を見て、思った。

血は繋がってなくても、晴とお姉さんは家族なんだ。



そう思うと少し心が和んだ。




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