【完】ヒミツの恋を君と。
公園の前のポストは、うちから結構近くて、さっき晴と歩いてきた道。


もしかして、それも見られてた?



ただ、ただ、怖い。

晴に、晴にこれ以上何かしたら、許さない。


あたしはポスト目指して必死に走った。



「こんばんは。桃佳ちゃん早かったねー」


「……」



ポストの前にはにっこり微笑む祐樹先輩が立っている。

真上には街灯があって、その表情ははっきりと見えた。


その笑みはどう見たって、優しそうにしか見えないのに。



「早速だけど、これ見てよ桃佳ちゃん。あ、じゃなくて、モカくんだっけ?」


「……っ!?」



上がった息を、整える間もなく手渡されたのは数枚の写真。


街灯の光に照らされた写真に写ってるのは、男装をしたあたしの写真。


背筋に冷たい汗が流れる。



「こ、これ…」


「ね、よく撮れてるでしょ?プロってすごいよね」


「プロ?」



その写真は簡易なデジカメとか、携帯とかで撮ったものじゃないのは明らかに分かる。


表情がはっきり写っている。


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