【完】ヒミツの恋を君と。
「世の中、お金さえ払えばなんでもやってくれるんだよ?ちなみにこんな写真もあるけどね」





そう言って差し出された写真。

受け取る前から、あたしの手は震えてる。


何の写真かは簡単に想像できた。





「は、晴…」





やっぱりバイト中の晴の写真。

絶句するあたしを見て、祐樹先輩が楽しそうに笑う。





「これ、センセイ達に見せちゃおっか?そうだ、このポストに投函して送っちゃおう」


「なっ!?」





祐樹先輩がポストの上を指差す。


ポストには街灯が落とす光が当たっていなくて、暗かったから全然気付いてなかったけど、そこには封筒が置いてあった。


その封筒を祐樹先輩があたしに見せる。


すでに宛名の所には、学校名と住所が記入されていて、





「困るよね。校則違反のバイトなんてバレたら晴は指定校推薦取り消されるし、桃佳ちゃんは…」





祐樹先輩の目が細められて、綺麗な笑顔を作る。





「退学だね」


「…っ!」





入学式に担任から言われた言葉を思い出す。


『バイトは禁止されてます。あなた達の学年からは、それを破ると退学になる可能性もあります』


晴の学年までは、バイトがバレても停学止まりだったらしいけど、あたし達の学年からは校則が厳しくなってた。


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