【完】ヒミツの恋を君と。
でも、



「じゃぁ、晴は怒ってないんだね?」


「怒ってるに決まってるだろ」





間髪いれずに帰ってきた答えに“やっぱり…そうだよね”と納得してしまえる自分が悲しい。



「だよね、あたしはただ心配かけただけで、大して祐樹先輩と晴の仲直りに貢献できてないし……ね」


「またズレてるし…」


「え」


「お前は祐樹に何話したんだよ?」



そう尋ねてきた晴に、今日の祐樹先輩とのやり取りを全部話した。


あたしが話してる間、晴は一言も喋らなかった。

全部聞き終わった後「そっか」と一言だけ言って笑った。



「祐樹が自分の心を整理できたのはお前のおかげだな」


「え」


「俺が祐樹の本心を知れたのも、祐樹が俺の本心を知れたのもお前のおかげだよ。ありがとう」



晴の『ありがとう』に胸がキュッとなって、また涙が溢れてくる。


晴の指が頬を滑って、また涙を拭ってくれるのかと思えば、頬をギュッとつねられた。


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