携帯小説~誰かのための予言~
「誰もいないみたいだよね」

体育倉庫の扉の前に立ったが、中から人の気配はまったくしなかった。

小さな灰色の倉庫がなぜだかものすごく大きく見える。

まるで私たちを飲み込んでしまうほどに。



「もしかしたら香坂先生、鍵閉めて職員室に戻ってるんじゃ。別の道通るってこともあるしさ」



ドクドクドクドク…。


今にも心臓が口から飛び出してしまいそう。


今までに味わったことのない恐怖。


気がおかしくなりそう。




アサコが意を決して、扉に手をかける。



「――あれ?」



扉に鍵はかけられていなかった。
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