《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「ふーん、そっか。わかった。じゃあな」
電話がプープー言ってる。

いつもそうだ。勝手に言って勝手に終らせる。三浦は、そういう男だ。

『そっか』で済む問題だったんだ。『別に』って返事で良かったんだ。

受話器を握りしめ三浦の表情を見ようと受話器をじっと見つめた。当然、三浦の表情は見えなくて、今受けた告白が嘘か本当かも聞けなかった。


でも、今の告白が本当なら納得がいくところもある。

私に惚れたのかとはったりをかました時に真っ赤だった三浦の顔。あの顔に納得がいくのだ。


でも、なんせ私はもう少しで30歳になるしがないOLだ。

だから、顔が赤いくらいじゃ裏付けとしてかなり甘い。

年下でイケメンの三浦。私をいらない駒扱いしたくせに、今更どの面下げて言うのかね?


あんたが好き……。

三浦の言葉が耳の辺りに甦ってきた。

思わず両手で耳を塞ぐ。

塞いだせいで耳の奥まで入りこんだ『あんたが好き』の言葉が、繰り返されて体の芯まで響いてきた。

ぶるっと震えて、持ったままだった受話器を定位置に戻した。

なんだか……私、熱があるかも。動悸もするし、めまいもするような気がしてきた。


自分で額を触ってみた。確かに熱く感じる。頰も触ると額より更に熱い。

まだ燃えてるっていうか、あつっ!

私の椅子の下にあった焚き火が、いつの間にかキャンプファイヤー並みの炎に変わっていた。
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