《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』

驚いた。三浦がなんて言ったっけ?

「あんたが好き」

そうそんな感じ。
え? また言ったの?


「なんで?」

思わず聞いていた。この『なんで』には結構意味がある。

なんで、嘘でしょ?
なんで、私なの?
なんで、今なの?

そうだ、今朝三浦は『俺のタイミングでいかせて』とかなんとか言っていた。

そのタイミングを見計らっていたものが、今電話で聞いた告白めいたことを言う行為だとすれば、なんで今なの? なんで……。

人の会社の電話にかけてきて、そういうのを言ってくる神経を疑う。

仕事中に何故?
何故、今言うんだろう。しかも、三浦が私を好き? はめられているんだろうか?

受話器を耳に押し付け、そばにクスクス笑い声でも聞こえてこないかと耳を澄ました。

車の走る音が聞こえてくる。外からかけているようだ。

「今、外にいるの?」

「うん、そう。会社じゃ、好きとか告白すんのマズイじゃん」

「私は会社なんだけど」

「うん、でも、あんたは告白される側だから問題ないだろ?」

は? 大有りだから。会社でこそこそプライベートな電話に出てみたら、嘘みたいな告白されて問題がないとでも?

今、私は椅子の下から焚き火をされているみたいに全身が熱いんですけど!


「なあ、あんたは?」


「へ?」
そういう事を私は今、会社の中にいるのに聞いてしまうんだ?

嘘みたいな告白を追求することも出来ないこの状況でなんと答えろと言うんだろう。


「別に…」


いけない。

結局、だいぶ前にブームにもなった女優の名言みたいになってしまった。


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