《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
近づいてきても圧迫感の一切ない小顔にはっきりしたパーツが計算された位置についている。乱れがひとつもない顔だ。

誰もが認めてしまうくらい綺麗な顔なら、そりゃ誰でも自信がわき出るでしょ。もし、私が三浦みたいな顔だったら、無駄に見せびらかす為だけに外を歩きたいくらいだ。

だから、三浦がある程度俺様的な感じの性格になっても仕方ないのかもしれない。そんな風になりたくなくても、この顔じゃあ、ああなってしまうってもんでしょう。


三浦は、冴えない女の顔をどんな思いで見るんだろう。

配置の悪い顔して、よく外に出られるなぁとか思って見てるんじゃないだろうか?



子供じゃないし、安い女じゃないから三浦がこうして目の前にいて息がかかるほど唇が触れそうなほど近くにいても……

まだ、少し頑張っている自分を前面に押し出せた。




「なんの真似?」

ニセハワイの世界で、あやうく胸がどきどきしたまま、三浦というビッグウェーブにザブンと飲み込まれてしまう所だった。

本気で溺れそうになったし、自分を見失うところで相当危なかった。
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