《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「俺、去年からずっとあんたにひと目ぼれしてたんだ」
じいっと私の瞳を見つめてくる三浦の瞳。
「去年の春からずっと……こうしたかった」
そう言い傾きながら三浦の顔が私に近づく。
三浦の髪についた桜の花びらが、傾いた為に下へはらりと落ちていく。その瞬間に三浦の唇が私の唇に重なった。少しの間だけ触れていて、やがて静かに離れていく。
私の表情をじいっと見てから、まるで了解を得たかのように三浦から、なんどもついばむようにして小鳥みたいなキスが落ちてきた。
了解してないよ。玄関に入る事も、私の上に乗ることも、もちろんキスすることもね。でも……
こんなに可愛かったっけ? キスって。
こんなにお互いが赤くなって照れたっけ?
こんなに胸が高鳴るものだった?
忘れていたよ。
キスのこんな感じ。
幻想の中で周りを彩るみたいに咲いていた桜の花が、花びらをより濃いピンク色に染めていった。