《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
会社の前で桜の花をみると、何年たっても蘇ってくる忘れられないお握りの味。
上京してから初めて出来た彼氏と二年前に別れた。
私は本気で好きだった。
時は、やはり春で『好きな人が出来た』と私にとっては不意に言い出した感のある彼。引き留める方法が全く思い浮かばなかった。
あまりにも哀しくて、ほろ苦い思い出……。
桜の花を見上げて、浮かんでくる涙を拭った。
今まで何回も新しい出会いと別れがあって、それでも毎年咲く桜は変わりなくて……。
「泣いてるの? ごめん! 俺、むちゃやっちゃったか?」
私の目尻に指で触れどこか悲しそうな顔しながら、私の上から横へと移動した三浦くん。
私、泣いてたんだ……。
「……そうじゃない」
ゆっくりと目をこすりながら起き上がった。
狭い廊下にふたりして座り込んで縮こまっていた。