《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』


前に三浦くんからもらった新しいカップに珈琲を入れてテーブルに置いた。

「あ、これ! 使ってくれてんの?」
目を細めて凄くうれしそうな笑顔を見せた三浦くん。


少しずつ三浦くんの素の表情が見える気がして嬉しくなった。

「うん。うちに頻繁に来る人がいたら使ってもらおうと思ってる」


「それって俺のこと」
更に嬉しそうな顔。


「どうかな?」

そっぽを向いてわざと三浦くんをあおってみた。

すると、三浦くんはソファーに座る私の隣に来て素早く腰を下ろした。


私の後頭部から首にかけた辺りに手をかけた三浦くんは、自分の方へぐいっと私の頭を引き寄せる。


「なによ、うぐっ!」

私の顔が三浦くんの胸にはまり込むみたいに埋まってしまった。


「急に抱きしめたくなった」

ドキドキするような言葉。
少しの間、私は三浦くんの胸に抱きしめられたままでいた。


やがて三浦くんの手が緩んで、やっと顔を離してみる。


「あっ」

三浦くんのシャツに薄くピンク色に私のリップがついてしまっていた。

「シャツにリップが少しついちゃった」
申し訳ない気持ちで三浦くんを見上げた。

「いいよ。クリーニングに出すから」
三浦くんは平然として珈琲を飲み始める。


「脱いでよ。私のせいだし、クリーニングなんてもったいないよ」


「……」


三浦くんはニヤッと笑う。
「真澄さんって俺を脱がせたい訳? なんだかんだ理由つけちゃってさ」
と妙な事を言い出す。

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