《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
シャツについたリップを見ていると、なんだか恥ずかしくなってきた。
お湯を出して、リップがついた部分を濡らしながら目の前にある鏡を見る。
これから、お茶飲んで……それからは?
鏡の中に映る女は、買い物には行こうと思っていたから一応メイクはしている。
だが、ナチュラル過ぎてほぼスッピンに見える。しかも、今はキスしたおかげでリップもはげおちている。
こりゃあ、ダメだ。
メイクをし直した方が良い。だが、シャツのシミ取りをしてから、急にごそごそとメイク道具を出し、鏡に向かうなんてことが果たして出来るだろうか?
お客様を放って、メイクを直すなんて明らかに変過ぎる。
お茶を飲んで、すぐ三浦くんは帰るだろうか? 帰るなら、これ以上顔を見られないで済むかもしれない。
いや、あれだけ入ってきて早々にキスをしてきた男だ。このまま手ぶらで帰るとは思えない。
改めてキスなんかをソファの上ですることになったら? まだ、昼間だしそれはないか……。
っていうか、考え過ぎている自分に自分でもひく。
これだから、日照り続きの独身女は、妄想が激しすぎて嫌だ。
ガツガツしているのは、三浦くんじゃなくて私の方だ。