《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「言えよ」
私の両手を握り、私を見おろす三浦くん。
「何を」
わかっていた。三浦くんが私に何を言わせたいか。
「俺への気持ち」
「……」
目の前に感心するくらいに整った顔があった。三浦くんの瞳に私の姿が映っているのが見える。
「恥ずかしい? もしかして」
「恥ずかしい? まさか、それくらい言えるわよ。全然そんなの簡単!」
大きく息を吸い込んでみる。簡単なはずだ。三浦くんへの素直な気持ちを伝えるチャンスでもある。
「す」
「ん?」首を傾げて、私の顔を覗き込む三浦くん。
「ス……」
私が言おうというたびに、口を開けて魚をくれるのを待つ水族館のイルカみたいに澄んだ目をして、わくわく感まるだしで待たれていた。
柄にもなく、それはそれはとてつもなく緊張していた。
まさに、緊張の極みだった。