《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「そうだよ。俺が勝手にあんたに惚れたんだよ! 悪いかよ」
息が苦しい。
真澄さんには自分の想いを全て受け入れてもらいたいのに、うまく気持ちが伝わらないのが、とても切なく、はがゆかった。
タオルをぎゅっと掴んで真澄さんは、近づく俺の顔をじっと見つめる。
俺は真澄さんが好きだ。一目惚れした去年よりもずっと想いは増している。
桜の下にいた時は、名前も知らなかった。ただ、その女を見て心が全部持って行かれたんだ。
話しかける勇気もなかった自分を随分と後悔していた。
だから、合コンでの出会いには、神様がくれたビッグチャンスなんじゃないか?運命以外の何者でもないだろ?!と感じた。
でも、俺は失敗したくない気持ちから変にカッコつけて、なかなか素直な自分になれなかった。
桜の下にいたあの彼女は、中川真澄さんって名前だと知った。
真澄さんの肉声を聞けた。
真澄さんの仕草や話し方を知った。酒が強いのも知ったし、料理が得意じゃないことも知った。
真澄さんの性格も少しずつだけどわかってきた。
年上でシッカリ者みたいにも見えるけど、結構抜けてるところもある。
そして、何よりカッコいい女だ。
潔い感じのする女だ。
カッコつけずに自分に正直に向きあって生きている感じのする人で、俺は彼女のそういう所に……
たまらなく、惚れたんだ。