《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
「ちょっと、あんた! 休みの日に何よ! しかも緊急事態って何?」
三浦の家の玄関に入り、両手に殺虫剤を
持って緊張して立っている私。
「遅い!」
怒ったように眉間にシワを寄せた三浦が、ひったくるように私の手から殺虫剤を取ると奥へ入り
シュー
シューーーーーーと
どこかに連続して殺虫剤をかけている音がしてきた。
少しして奥から姿を現した三浦。
「はーーー、全く引っ越してきて早々あんなデカイゴキブリが現れるとは思わなかった。 タワーマンションにも飛んで来るんだな? ゴキブリって。生命力半端ないな。まあ、今日はなんとかこれで良いとして」
は? ゴキブリ? 生命力?
嘘でしょ。まさか私は、たかがゴキブリ退治の為に呼ばれたの?
玄関で唖然として立ち尽くすジャージ姿の私。
緊急事態がゴキブリ? マジで言ってるの? この男!
怒りがフツフツと沸き起こってきた。はじめはフツフツ程度だったものが、グツグツと沸騰し、やがてグラグラと煮えたぎって来ていた。