《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
それでも、一年前参加した合コンの時には私でも「大丈夫ですか?」と言われた。

それが一年立つと、こんなに世間は厳しいのか。女の一年は大きいなぁ〜と呑気に考えていた。


ところが……

「送りましょうか? 僕が」
間違いなく男の声がした。

そうそう、そう言う言葉を最初から使うべきじゃないの? 社会人としての品格をだねー。

え? いやいや、ここでそう言われたら困るのよ。だって、ここで早く帰りたい万里が『じゃあ、私が送りますね。先輩』と言って立ち上がるのが早く退散する時のパターンだから。


困ったな。
困ったといいつつ、若干にやけてしまう。女性として認められた充実感がある。

予定外の言葉に顔を上げてみる。


ん? こいつは全くどこを見てるんだか。上を見過ぎでしょうよ。

斜め前に座る吉田さんは、私では無い方を見上げている。

視線の先を追いかけた私は、口をあんぐりとあけてポーッと見惚れた。

それくらい、吉田さんの視線の先にいて襖の前に中腰になっている人の顔を見てかなり驚いていた。

これは、凄い……。


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