《爆劇落》✪『バランス✪彼のシャツが私の家に置かれた日』
見知らぬ男だった。
ネイビースーツにイエローのボタンダウンシャツ、ネイビー系のGC柄ネクタイ。
割とがっしりしてそうな胸板にピッタリしたスーツがバッチリ似合っている。王道の爽やかな2ブロックショートヘアには女性も羨む小顔がのっていた。目鼻立ちのはっきりした王道で堂々たるイケメンの顔だ。
襖の前に中腰になって私を見ている彼。
『俺はイケてる男』と書いてあり真っ赤のバラ模様で縁取られた看板を背負って街を歩いたとしても、彼は許されてしまうであろうレベルの人間だった。
こんなにイケてるなら看板背負ってても仕方ないか、いや、むしろ『イケメンこちら』という案内板を背負うべきだろうと言われてもおかしくない。
何を着ても何をしても絵になりそうなそんな男だ。
凄いレベルだ。コレは半端ない。
冗談抜きに感動した。こんなにイケメンと話せる機会が私の人生に訪れるとは、全く予想していなかった。
だが、はて?
この人は誰なんだろう。何故、この狭い居酒屋の個室に入ってきたんだろう。
部屋、間違えてるんじゃないかな? その前に店間違えてるのかな?
まわらない頭をフル回転させて、アレコレと考えてみた。
そのうちに吉田さんが口を開いた。
「三浦(みうら)さん、遅いですよ。はじめちゃってますよ」
ああ、遅刻で参加する人がいるとかなんとか言ってたよね、リーダーが。
それもなんとなく、うろ覚えの記憶だけど。
にしたってさー、彼が合コンメンバーな訳? 第一、彼が合コンに来る意味がわからない、必要ないじゃない。
またしても自分より年下に違いないイケメンを上から下までじっくり眺めた。
しかし、なんで合コンに遅刻してくる人って大体、イケメンなんだろう。