うらしまさんとあずみちゃん
「皇子さま、たすけてえ」

庭先で桜を眺めていた皇子さまは、外から泣き叫ぶ声に驚いて飛び出すと、ぼろぼろのぼろぞうきんのようになったあずみを見て、悲鳴をあげていました。

「だ、だれだ、オレを呼ぶのは」

「私だよ、あずみだよう」

「なにそのかっこ。オレはまたホームレスかと思ったがよ」

「失礼ね、じつは、かくかくしかじかで」

 
あずみが事情を話すと、皇子さまは言いました。

「あずみ。島子がおまえをいらないって言ったら、オレのとこに来いよ。オレはあずみのこと、絶対泣かせない」 

「いらないって、言うかなあ」

あずみは困ったように微笑みました。
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