うらしまさんとあずみちゃん
「あかねさすの歌もいいけどさあ、島子さん」

川原で夕涼みをしていたあずみは、隣で歌を考える島子に言いました。

「島子さん…」

思いつめた表情で迫ってくるあずみに、島子はもう、どっきどき。

「なななんだい、どうしたのさ」

「おなかすいたよね…」

島子はどっと緊張の解けたあと、がっくりと肩を落としました。

「きみといると『あかねさす』あの歌を詠んでも、ぜんぜん切なくならないよ」

「それは悪かったわね」
 
ふくれっつらで怒るあずみに、島子はあわてていました。


「ち、ちがうよ。ぼくはそっちのほうがいいなと思ったんだ。恋愛は、苦しいより楽しいほうがいいものね」



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