柔き肌に睦言を
私は女神の横たわるソファに浅く腰掛けた。左手で、髪を撫でた。実にそれは、真っ白いカンバスに初めて色を載せる時のような緊張と興奮に包まれた瞬間だった。
「気にしないで。あの年頃の女の子にはよくあることじゃない。かっこいい女の先輩に憧れるとか。友達にでも、友情以上のものを感じちゃうとかさ」
私はまた目を細めていた。
「あたしがしのちゃんの憧れの対象だったとしたら光栄だよ。あの頃はしのちゃん髪短くてちょっと男の子っぽかったよね。背高かったし、あれで運動部だったら絶対後輩から憧れられてたと思うな」
私の手は、髪から肩へと移っていた。なんという柔らかさだろう。そして冷たかった。
「ねえ、寒くない?」
「大丈夫だよ。で、しのちゃん何部だったんだっけ。美術部?んん」
言いおわらないうちに私は女神の口を吸った。
「ん、はっ」
女神は息継ぎを必要としているようだが、私は待っていられない。強く唇を押しつけて吸い続けた。
「はあっ」
私が唇を離すと女神は大きく息をした。胸が膨らむ。その姿に魅せられて、また唇を押しつける。今度は舌の侵入を試みる。開いたままの女神の中に、私の先端は難なく押し入れられた。
「あ、あ」
そのままぐるぐる回す。いま私の両手はとてつもない柔らかさを感じている。それに勝らずとも劣らない、舌にからみつく柔らかさ。そして、甘さ。そのうちに私の体中すべての感覚は、女神の中に先攻した舌先に集中していった。
私が鈴本睦美と出会ったのは、十三年前の春だった。
高校二年のクラス替え。五十音順に並んだ教室の席ですぐ後ろに座ったのが、明るくて少しぽっちゃりした彼女だった。すぐに私に話し掛けてきた。
「しののめさん身長何センチ? 背、高いよね」
「167くらい、かな」
一センチ低くサバ読んで答えた。
「いいねえ。ね、バスケに興味ない? いま何か部活やってる? あたし女バスのマネージャーなんだけど、しののめさん入らない?」
「私、運動あんまり得意じゃないから。いま美術部だし」
「そっかぁ、絵が得意なんだね。うらやましい」
気が変わったらいつでもバスケ部にと言って、彼女は手を振った。なんて明るい笑顔をするんだろう。
「気にしないで。あの年頃の女の子にはよくあることじゃない。かっこいい女の先輩に憧れるとか。友達にでも、友情以上のものを感じちゃうとかさ」
私はまた目を細めていた。
「あたしがしのちゃんの憧れの対象だったとしたら光栄だよ。あの頃はしのちゃん髪短くてちょっと男の子っぽかったよね。背高かったし、あれで運動部だったら絶対後輩から憧れられてたと思うな」
私の手は、髪から肩へと移っていた。なんという柔らかさだろう。そして冷たかった。
「ねえ、寒くない?」
「大丈夫だよ。で、しのちゃん何部だったんだっけ。美術部?んん」
言いおわらないうちに私は女神の口を吸った。
「ん、はっ」
女神は息継ぎを必要としているようだが、私は待っていられない。強く唇を押しつけて吸い続けた。
「はあっ」
私が唇を離すと女神は大きく息をした。胸が膨らむ。その姿に魅せられて、また唇を押しつける。今度は舌の侵入を試みる。開いたままの女神の中に、私の先端は難なく押し入れられた。
「あ、あ」
そのままぐるぐる回す。いま私の両手はとてつもない柔らかさを感じている。それに勝らずとも劣らない、舌にからみつく柔らかさ。そして、甘さ。そのうちに私の体中すべての感覚は、女神の中に先攻した舌先に集中していった。
私が鈴本睦美と出会ったのは、十三年前の春だった。
高校二年のクラス替え。五十音順に並んだ教室の席ですぐ後ろに座ったのが、明るくて少しぽっちゃりした彼女だった。すぐに私に話し掛けてきた。
「しののめさん身長何センチ? 背、高いよね」
「167くらい、かな」
一センチ低くサバ読んで答えた。
「いいねえ。ね、バスケに興味ない? いま何か部活やってる? あたし女バスのマネージャーなんだけど、しののめさん入らない?」
「私、運動あんまり得意じゃないから。いま美術部だし」
「そっかぁ、絵が得意なんだね。うらやましい」
気が変わったらいつでもバスケ部にと言って、彼女は手を振った。なんて明るい笑顔をするんだろう。