隣に座っていいですか?
「ちょっと郁美そこどいてよ。扇風機が当たらない」

「エアコン入れればいいじゃん」

「定休日に贅沢な!」

節約節電
我が家のモットーじゃなくて
いや
何でそんな発言?

私が黙って仁王立ちしていると
雰囲気を感じ
恵子おばさんが苦笑い。

「田辺さん尻に引かれるわー」

「それが似合ってる」

「しつけも厳しいぞ」

「桜ちゃんは耐えられそうだけど、あのへタレは逃げ出すんじゃない?」

ふたりで笑ってるし。

「会話見えませんが」
割り込むように私が言うと
奥様達はまた笑う。

感じ悪い。

「よさそうな人じゃん。綺麗だし……桜ちゃんの新しいお母さんになるんだよ」
私の何倍も
綺麗な人だった。

「まぁ私達が口を出す事じゃないけどねー。なんかねー野心溢れた感があったからさー」

「女見る目は無いねー」

「田辺さん。顔はいいんだけどねー」

「ホントに残念なへタレだ」

勝手な事ばかりおっしゃる。

たとえ相手が誰であれ
私達には何も言う資格はない。

大人しく
私はそう思っていた。

そう

その時は……。
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