隣に座っていいですか?

「身体痛くないですか?」

朝食の時言われて
朝から恥ずかしくて言葉に詰まり、ついでにパンを詰まらせる。

「ゆっくり食べて下さい」
新聞を見ながら
しれっと言う彼が憎いわ。

「郁美さん」

「はい?」

「濃厚な母の日だったで……」

「コーヒーおかわり!」

最後まで言わせねーよ。

彼はクスクス笑いながら

「郁美さん可愛い」って言うので、私は新聞で顔を隠す。

キワドイ会話は苦手なの。

「桜が帰ってきたら。本屋さんに連れて行く約束しているので、ちょっと出かけてきますね」

「了解です」

会話おしまい。

彼は食事を終わらせ
楽しそうに私から新聞を奪い
頬にキスして2階へ上がる。

私はテーブルを片付ける。

動いてないと
昨日の濃厚なエッチを思い出しそうで怖い。

経験がないワケじゃないけれど
あんな丁寧に
つま先から……ああっ!ダメだ!

動こう!!

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